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大切【NARUTO】

第34章 デートをしよう





気丈に振る舞うリクの頭を優しく撫でると、リクは安心したように笑った。

それを見て、俺も安心した。

一瞬フラッとしていたが、ちゃんと意識もあるようだし、特に気にすることもないだろう。

本当に良かった。


「夢か?」


『うん…でも、忘れちゃった。』


「俺も今日、夢を見た。」


『え、サスケも?』


「ああ、でも、忘れた。」


俺は、美しい空色以外、忘れてしまった。

お揃いだと笑うリクは、忘れてしまった夢は、忘れたくない夢だったという。

けれど、夢は夢。
時間が経てば忘れてしまうもの。

だから、仕方がない。
それに今回、お前は忘れてしまった方が良い方の夢だったろうし。

あの唸り方は尋常ではなかった。


「リク、今日だけ特別だ。甘味処巡りに付き合ってやる。」


それで、元気が出るなら。
先の夢の恐怖が消えるというなら。

俺はお前に付き合ってやる。


『ほ、本当に!?本当に!?
やったー!やっぱサスケは良いやつね!』


「…必要以上にくっつくな。バカ。」


『バカは余計よ!さっきの発言撤回。アホサスケ。』


「チィ…。言ってろ。」


良いやつなのは、お前限定だ。

あまり引っ付かれると、顔に熱が集まるので、無理やりリクを引っぺがし、さっさと準備をするように促した。









さあ…ってと。

今日は特別だ。

いつも何も言わなくても、常に俺たちは一緒にいた。

でも今日は、初めて約束をして出かける。

いつもの青い修行や任務用の服ではなく、黒い服だし、少しだけお洒落とやらをしてやったつもりだ。



自分には無縁なものだと思っていた。

けれど

これが世間でいう、デートってやつなのかもしれない。





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