第31章 中忍試験・力
「ま、取り敢えずは結果から言うと、このトーナメントの通りだ。
お前達が気になってるだろう試合だけ話すと、サクラはイノとやって引き分け。
ナルトはキバとやって勝ち。
そしてリーくんは我愛羅とやって先ほどの説明通り。
ヒナタはネジとやって…集中治療を受けて今入院中だ。」
『え…!?ヒナタが!?』
心室細動を起こし、死ぬ寸前まで至ったそうだ。
ナルトの応援を受け、必死に立ち向かっていった結果だと言う。
リクはガタンと立ち上がり、ヒナタの元へ行こうと病室の扉に手をかけた。
「あーのね、リクはこの病室から出ちゃダメなの。要入院の意味分かってる?
それに、ヒナタのところへ行こうとしても無駄だ。
今は気を失ったままだし、勿論面会謝絶。
行ったところで何も出来ないよ。」
止められて、一度深呼吸をする。
頭に血が上り、冷静な判断ができていなかった事に反省をした。
『すみません…。』
けれど、何も出来ない自分が悔しい。
ぎゅっと口を結び、俯いた。
「そのネジってのが、ナルトとらしいな。」
先程座っていた椅子に座りなおし、サスケが眺めているトーナメント表を横から見た。
確かに一回戦は、そうなっているのだ。
(ナルトくん…頑張って…。)
あれだけ努力していたヒナタを、そこまで追いやったなら強いに決まっている。
リーも言っていた。
今、木の葉で一番強い下忍だと。
「ま、そういう事だ。
取り敢えずお前ら、"今はまだ"ここの病室で暗部もつくが、"もうすぐ"一般の病室に戻されるだろうネ。
けど、決して無理はしないよーに。」
そう言ってカカシは手を振り、帰っていった。
『サスケ、今の先生の話…』
「"今はまだ"大人しくしとかなきゃならねぇらしいな。」
『フフッ。よく分かってるじゃない!』
"もうすぐ"暗部もつかない一般病室に移る。
カカシの意図を汲み取り、サスケとリクは顔を合わせてニヤリと笑った。