第31章 中忍試験・力
体が軋み、ゆっくりと目を開く。
どうやら知らない間に眠っていたらしく、本を開きっぱなしでサスケの側に私は座っていた。
「やっと起きたか。もう昼の2時だぞ。」
目をこすりながら、声のする方を見ると、サスケが目を覚ましていた。
『良かったサスケ…。』
「ああ、何とかな。…ていうかお前、放っておいたらこんな時間まで寝てるんだな。」
『は、はは…。ぐっすり眠るとなかなか起きれなくて。』
「そんなの、知ってる。」
また2人で笑いあう。
そんな普通がどれほど幸せなものなのか、この数日で痛感させられた。
そんな病室に、扉を叩く音が響く。
「おーおー、君たち。元気そうじゃないか。」
面会謝絶のはずの私たちの病室に入って来たのは、カカシだ。
『はい、お陰様で。もう修行だってバリバリできます!』
グッと拳を前に突き出すと、カカシは「元気でよろしい」と笑った。
そしてカカシは、ごそごそとポーチを漁り始めた。
「それより、予選の結果と本選の組み合わせ、知りたいでしょ?」
差し出された紙は、本選のトーナメントだ。
サスケは2試合目、私は5試合目だ。
1試合目にはナルトの名前も。
『私の相手のドス・キヌタってあの音忍よね?あの時の借り、返さなきゃ!!
あ、サスケの相手の我愛羅って…。』
砂瀑の我愛羅。
サスケが試験前にカブトに尋ねたやつの名前だ。
「…サスケ、この我愛羅ってやつはな、リーくんの左腕足を粉々にしたんだ。
今のお前じゃ、確実に殺される。」
カカシの言葉に、私もサスケも目を丸くする。
あんなに強いリーが、我愛羅との試合の末、忍者を辞めなければならないほどの傷を負わされたと言うのだから。
我愛羅とは一体…。
それに、サスケが殺されるって…
それほどに我愛羅と言う人は、強いのだろうか。