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大切【NARUTO】

第31章 中忍試験・力





「リクちゃーん!流石だってばよ!
ってゆーか、どーやって気絶させたんだってばよ?」


『え?ああ…、隙をついて幻術をかけたのよ。』


「マジ!?リクちゃんってば、幻術もできんだな…。すっげぇー。」


『フフ…ありがとう!』


元気に返し、拳を合わせたものの、一気に全力でチャクラを使ったからか、キツイ。
息を切らしていると、トントンと背中を叩かれる。


「リク、お疲れ様。…今すぐ医務室に行って。毒のことがあるんだから。」


サクラの言葉で思い出す。
この妙な倦怠感は毒のせいだったと。


『…ごめんね、行ってくる。二人とも頑張ってね!』


みんなの試合を見れないことは悔しいけれど、毒を放置していれば大変な事になるのは確かだ。


それにサスケも気になる。


自分で動けるうちに医務室へ行くことにし、リクはそこへと向かった。






さて階段を下りようとした所で、ある人に呼び止められた。


「あ、あの…リクちゃん!」


声をかけてくれたのはヒナタだ。
先程の試合を見てくれていたのだろうか。
傷薬を私に差し出して、微笑んでいた。


『ヒナタ!…私勝った!』


「うん!おめでとう、流石リクちゃんだったよ。」


照れながらもヒナタにVサインをする。


『ヒナタもがんばれ!自信を持って!』


ヒナタは小さく頷いて、控えめであるが同じようにVサインをしてくれた。





そして手を振って別れ、足早に目的地に向かう。


(…ヒナタ、初めて会った時から変わったな。)


はじめから心の強い子だとは知ってた。

けれど内気で、何事にも消極的で。
日向の家の事もあって余計に。

そんな自分を変えたいと、必死で努力してきたヒナタの姿を知ってる。
ナルトの姿を見て、勇気をもらい、自分の姿を見てもらいたいと懸命に修行してたのも知ってる。


(今日は、ナルトくんはヒナタの戦いを観てるよ。…がんばれヒナタ。)


きっと彼女は、いつもの数倍強い力を発揮する。
なんだかそんな予感がした。





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