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大切【NARUTO】

第30章 中忍試験・絆





アカデミーの頃、頭脳ではリクと1、2を争っていたサクラのお陰で、なんとか解決策を見出す。

しかし、いつポックリ逝ってもおかしくないほどの熱の高さだ。
この薬が成功しなけりゃ意味がない。


「……ダメ、飲んでくれない。」


「リクちゃん、これ飲まねーとやべぇんだ。飲んでくれってばよ…。」


コップを傾けるサクラだが、それはリクの口から溢れ出るだけ。

頼むから飲んでくれと思うが、口を閉じる筋力すら弱まっているのだろうか、うまく口に含めていない。




…緊急だ、やむを得ない。





「サクラ、それ貸せ。」


「え?別にいいけど…?」


半分引っ手繰る形で、サクラからそれを受け取る。


「サスケ!それ、どうするつもりだってばよ!?」


ナルトに答える前に、サスケはその薬を口に含んだ。


「さ、さ、サスケくん、もしかして!」


サクラは理解したようでギャーギャーと騒ぐ。
他にも方法があるだろう、と。

だが、他に方法が思い浮かばないからこうするしかない。

なんども言うが、緊急事態なのだ。


(悪いなリク…。許せ。)


一応心の中で謝っておく。

そして口移しで、リクにそれを飲ませた。

飲み込むまで口を塞ぐ。
ゴクンとリクが喉を動かしたところで、やっと離れた。


「これで暫くは大丈夫…なんだよな?」


サクラに尋ねても返事がなく、振り返ると、なぜか魂が飛んでいるサクラ。


「サスケェ…それはサクラちゃんの前ではNGだってばよ…。」


「他に方法が思いつかなかった。仕方ねぇだろ…。」


お前らに、やらせるわけにはいかねぇし…というか、させたくない。


「サスケって、分かりやすいんだな。」


「…黙ってろ、ウスラトンカチ。」


残された俺とナルトは、サクラの魂が還って来るまで、微妙な空気の中で過ごした。







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