第30章 中忍試験・絆
「お帰りなさい…って、なんで二人ともボロボロなの!?」
帰ってくるなりナルトもサスケも傷だらけだ。
明らかに戦闘があったように思える。
「忍と戦闘があった。…地の書だった。」
やはり、戦っていたか。
サスケが「チィ」と舌打ちをする。
ナルトも不機嫌そうな顔色だ。
「二人とも!勝手に行動しないでよ!そんなに怪我しちゃ、元も子もないわよ!」
怒ってみるものの、サクラも少し残念な気持ちが混じる。
天の書ならば、試験は突破できたし、リクも助かる道が開けた。
二人ともリクを助けたくて、焦っていたんだ。
「…次からは無理しないで?それより、頼んでたものは?」
「ちゃんと取ってきたってばよ!」
「本当にこんなので大丈夫か?」
ナルトとサスケが取り出したのは、毒々しい色の液体。
「これよ!この草、変な色だなって記憶にあったもの!
早速準備をするわ!ナルトはお水用意して!サスケくんは何か器を!」
二人に指示を出して、テキパキと行動する。
器に水とその樹液を入れ、混ぜ合わせる。
すると不思議にも紫色からピンク色へと液の色が変化した。
ちゃんと本で見た通りの変化が見れて、自分の判断は間違っていなかったと安心した。
(…医療忍術を使う事ができたなら。そうすれば、みんなが傷ついても助けてあげられるのに。)
医療忍術は、細密なチャクラコントロールと、膨大な知識が必要と言われている。
もしかしたら私だって、出来るかもしれない。
出来るようになれば、みんなと肩を並べて戦える。
戦って傷ついた彼らを癒してあげられる。
(試験が終われば、修行してみようかな…。)
かき混ぜた液体を即席のコップに移し替えながら、そんな事を考えた。