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大切【NARUTO】

第30章 中忍試験・絆





第七班は戦闘があった場所から少し離れ、また身を隠していた。

1日経ってもリクの体調は悪くなる一方で、呼吸もままならないといった状態が続く。


「…サクラ、どうだ。」


「全然だめ…。リクの持ってる解毒薬じゃ、成分が違うみたい…。」


サクラが知識の中から対処法を探し出しているのだが、それは一向に効かない。
落ち込むサクラに「大丈夫」と一声かけると、顔を引きつらせながらサクラは答える。

俺とナルトが気絶している間に、二人の絆が相当深まったらしく、サクラはリクの事を心配し、青ざめた表情でいた。


「サクラちゃん!サスケ!魚とか木の実とか、取ってきたってばよ!」


「ありがとうナルト。…サスケくん、取り敢えず、お昼にしよ?」


「…ああ。」


ナルトの調達してきた食料で適当に昼を済ます。
そしてまた、リクの容態確認と、救う手立てを考える会議が開かれるのだ。


「やっぱさ、巻物を手に入れて、さっさと合格きめて医者に診てもらうのがいいんじゃねーの?」


「ウスラトンカチが…。確かにその方が早いかもしれないが、この状態のリクを彼方此方と振り回す方が危険だ。」


…とは言ったものの、なんの案も思いつかない。
やはり強行突破が望ましいだろうか。


「…ナルト!!この木の実!どこで取ってきたの!?」


突然隣で大声を出したサクラに驚く。
思わずサクラの顔を除くと、その目は希望の宿った目だ。


「そ、そこの木を曲がったところだってばよ…。大丈夫、これは別に毒はねぇ!」


「違うの!その木の実、ニコの実って言うの!
その実のなる木の樹液があれば、少しだけ毒の進行を止められる…!よくやったわ!ナルト!」


「…本当かサクラ!」


「うん、本に書いてあったはずよ。…ただ、取り除く事はできない。"毒の力を薄める"だけ。」


サクラは少し悔しそうな顔をするが、それで十分だ。
迫り来る命の期限が伸びるのだから。


「ナルト、行くぞ。サクラはリクを頼む。」


「おう!」


「任せといて!」


リクを死なせるわけにはいかない。
少しでも可能性があるならば。


(待ってろリク。絶対に助けてやるから。…死ぬな!)


サスケはナルトを連れ、森へと入っていった。




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