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大切【NARUTO】

第30章 中忍試験・絆






しばらくテンテンの様子を眺めていると遠くから私を呼ぶ声がする。


「リク、こっち来い。」


サスケに呼ばれたが、テンテンが服を直してくれているのだ。
この場を離れるかどうか迷う。


「いーわよ、まだ少し出来上がるまでかかるから。
できたら呼ぶわ!」


『…すみません、ありがとうございます。』


テンテンの優しさに甘え、リクはサスケの元へ向かった。






サスケに連れられてきたのは、誰の視界にも入らない木陰。
するとサスケはポーチから傷薬を取り出した。


「痛いと思うが…我慢しろ。」


そう言って指に軟膏を絡め取る。
ザクに付けられた足や腹の傷に、塗ろうとしてくれてるのだろうが…。


『待ってサスケ…絶対くすぐったい。』


腹部に弱いリクは、ジリジリとサスケと距離を置く。


「……へぇ。弱いのか。」


『だ、だったら何よ。…あ!しまった!なんたる失態!』


「しまった」と叫ぶと、サスケがニヤニヤと笑う。
これはきっと、今後の生活で武器に使われるやつだ。

サスケに理不尽な事があった時、使われちゃうやつだ。

ムスッとした顔でサスケを見ると、サスケはまたクツクツと笑う。


「…覚悟決めろ。」


『やだ…痛いしくすぐったいもん。』


痛いのはともかく、くすぐったいのは勘弁だ。

しかしとうとう、サスケに捕まってしまった。

傷薬を塗られて、くすぐったいと痛いが混じってそりゃ大変だ。


『んぁ…っ、さ、サスケ…!やめて…!』


「……変な声出すな。」


その後も、腕や脚の傷に、傷薬を塗られた。

ほんと、人に触られるのは勘弁だ。
くすぐったくて仕方がない…。


(こんな傷そのうち治るのに…。サスケは心配性かーっ!!)


その間の、"痛み"と"くすぐったい"の格闘は、もしかすると大蛇丸戦よりもキツかったかもしれない。






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