第30章 中忍試験・絆
音忍が立ち去り、木の上にいたお団子ヘアの女の人はそこから飛び降り、そして猪鹿蝶は草叢から出てきてくれた。
「お前ら大丈夫かよ!めんどくせーけど、いのはリーって奴を頼む!」
指示を出し、駆けつけてくれたシカマルが眼を大きく開けてかたまる。
少しばかりか、頬が赤く染まり出している。
「おいリク…、流石にそれはやべーんじゃねーの?」
『やばい…?なにが……?』
何かやばいことあるだろうか。
首をかしげると、シカマルが目をそらし、私を指差す。
「いやー、そのだな。…な?サスケ。」
「……俺に振るな。」
なんか、シカマルとサスケが話していることが新鮮で、2人の話に耳を傾ける。
何やら、どちらが言うか…という言い合いをしている。
『そんなにやばい事?』
そんなにやばい事…何かあるのか?
まさか、仲間が一人欠けたとか?
いやいや、そんなはずはない。
一体2人が何が言いたいのか考えていると、とうとう諦めたようにシカマルがため息をついた。
「……ちょっとな、目のやり場に困んだよ。自分の姿、見てみろ。」
そう言われて、自分の姿を見る。
…そうだった。
そういえば、服を切り裂かれたんだった。
今、リクの上半身を隠すものは、雑にくくったケープだけだ。
かなり、際どい。
『キャーーーー!!!!』
なんて醜態をさらしていたのだ。
一気に顔に熱が集まり、しゃがみ込む。
ここまで女の子らしい声が出たのは、生まれて初めてじゃないだろうか。
それぐらいキンキンした声で叫んだ。