第30章 中忍試験・絆
サスケはリクの頭に手を置いた。
そしてリクとサクラの姿を確認する。
二人とも傷だらけの体、顔。
殴られたのであろうか、少し顔が腫れていた。
更にリクは、衣を切り裂かれていた。
その時に、クナイで何度も切り傷を付けられたよつで、腹部からは血が滲んでいた。
全部、こいつがやったのか。
怒りがこみ上げると同時に、呪印が体を侵食し、力が増幅する。
「さぁて、お前だったよな。」
睨み付けると、ドスという男は敵わないと思った様で、半歩下がる。
しかし、先ほどの質問に答えた奴は、そうでないらしい。
「ドス!こんな死に損ないにビビるこたぁねぇ!」
ザクは両手を俺たちに向ける。
「斬空極波!!」
豪風が吹く。
しかし、今のサスケにとっては、それを避けるには十分なほどの時間があった。
サクラとリク、そしてナルトを連れ、ザクの背後に立つ。
「へ!バラバラに吹っ飛んだか!」
「誰が?」
一言で返し、顔を拳で殴る。
更に追い討ちをかけるため、術を発動させる。
「火遁・鳳仙火!」
ザクに向かって放った炎。
それは奴の術によりかき消されるが、それすらも計算内。
「何…!火の中に手裏剣!?」
手裏剣はヒットし、一瞬奴の視界を遮る。
そして、奴の下へと潜り込んだ。
「ザク!下だ!」
ドスが叫んだが、もう遅い。
サスケはザクの両腕を取り、足裏を背にのせた。