第30章 中忍試験・絆
「その吐血から見て、キンを殺せばその子も死ぬ事になるようだね。」
ドスが指すのはいのの事だ。
いのの体を支えていたシカマルが、苦い顔をする。
シカマルの術も解け、チョウジは目を回している。
明らかに劣勢となっなしまった時。
新たな声が、その場に響いた。
「フン…気に入らないな。マイナーな音忍風情が、そんなに二線級をいじめて勝者気取りか。」
男と女、二人組だ。
「…あれは、リーさんの。」
サクラのつぶやきで思い出す。
確か、試験前に一度会ったことがある。
…彼らはリーと同じ班の人たちだ。
「そこに倒れてるおかっぱ君は、俺たちのチームなんだが…。好き勝手やってくれたな!」
そう言って男の方は、白眼を目に宿す。
(ヒナタと同じ…!じゃあ、日向の人なの!?)
そういえばリーが、木の葉で一番強い下忍は班内にいると言っていた。
それならばその最強の下忍こそ、日向の男なのだろう。
「フフ…気に入らないのなら、格好つけてないで降りてきたらいい。」
ドスが挑発し、日向の男を睨む。
しかしその男は白眼を閉じ、その人は笑った。
「どうやらその必要はないようだ。」
何のことだと思った瞬間、後ろで何かが動く気配。
でもそれは、知っているはずなのに、どこか恐ろしい気配。
だけど、間違えるはずなんてない。
サスケが、目覚めたのだ。