第30章 中忍試験・絆
バキバキと穴の空いた根。
そして、サクラが仕掛けたトラップの丸太が粉々に砕け散った様子から大体のネタを推測する。
(…あの手のやつに、仕掛けがあるようね…。空気砲?振動?それとも…。)
色々と考えていると、ザクという男が横から仕掛けてきた。
それを躱し、手裏剣を投げる。
しかしそれは彼の腕から放たれた何かにより、跳ね返され、自身への攻撃に変わる。
『…なにその術!』
跳ね返された手裏剣を、瞬間だけ出した写輪眼で見極める。
そして取り出したクナイで弾きかえした。
「おいドス!この女はもらう!」
「…いいでしょう。」
ザクはドスの許可を貰い、ニヤリと笑う。
それがとても不気味だった。
「お前、良い女だな。俺の女になるのと、ズタズタにされて死ぬのと…どっちが良い?」
『…なに。服の趣味の悪い男は嫌よ。
あなたのモノなんて、願い下げ。』
「そーかよ。じゃあご希望通り、その顔も、体も、ズタズタにしてやる。」
一種の挑発に、余裕のフリをして返したが、余裕など全くない。
少量のチャクラは回復したが、満タンではないのだから。
満タンなら負けないのにと思ったが、思ったところで仕方がない。
印を結ぶザクの技を見切ろうとしたが…
「表・蓮華!」
ザクが放った術の先には…リーとドス。
リーがドスを拘束し、思い切り地面に叩きつけていたのだ。
(まさかアレ…サスケに使おうとしてたやつなの?)
あの一連の動き、試験前と全く同じだ。
凄まじい破壊力に、目を奪われる。
しかし、先ほどのザクの技により、土がクッションとなっていたため、其処までのダメージが与えられなかった。
リーが危ない。
助けに行こうと走り出すが、進路はザクに塞がれる。
「だから、お前は俺がもらうって言ったろ?」
『私、話の通じない男も嫌いよ?』
挑発しても、彼はニヤニヤ笑うだけ。
どうしても通してくれないらしい。
リクは舌打ちをして、ザクに挑んだ。