第30章 中忍試験・絆
大きな音で目をさますと、サクラとリー、そして、あの音忍達が退治していた。
『…敵!?』
急いで体を起こし、根から出る。
完全に眠りに落ちていれば、気づかなかった。
なんたって、誰かに起こしてもらうまで寝続けてしまうような私だ。
サクラに敵が来たら教えてって言っておいた。
けれど起こさなかったのは、もしかしたら私を休ませる為、一人でなんとかしようとしていたからなのかもしれない。
そんなサクラの優しさに感謝し、2人の元へ駆け寄った。
「…ありがとう、助かったわ。」
「前に一度言ったでしょ…。死ぬまであなたを守るって…。」
サクラとリーの会話で、胸が熱くなる。
リーは本当に良い人だ。
『サクラちゃん…ごめんね、寝坊しちゃった。』
「リク…。」
私の姿を見て、更に涙を堪えるサクラ。
そんなサクラの頭にポンと手を置いた。
『リーさんもありがとうございます。助かりました。』
「いえ…リクさんこそ大丈夫ですか。」
『はい。私は誰かを守る時、何倍もの力を出せるタイプです。』
そうやってニヤリと笑うと「そうですね!」と言って、リーも笑い返してくれた。
「仕方ないなぁ…。サスケくんは君にあげるよ。
こいつらは僕が殺す。」
そう言って、ドスが動き出す。
「サクラさんも、リクさんも、もう戦える状態じゃあ…。」
ボロボロの私達の姿を見て、リーが気を使ってくれる。
『サスケを殺すと言ってるこいつら相手に、見ているだけなんてできません。
…サクラちゃん、2人をよろしくね。」
リーが土に手を突っ込んだ事を確認し、ドスの攻撃をリクはヒラリと躱した。
そしてリーは根を掘り出し、それを盾として使う。
「君の攻撃には何かネタがあるんだろ?
馬鹿正直には避けないよ。
君の技は、前に見せてもらったからね。」
破壊された根を見て、リクは相手の分析を始めた。