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大切【NARUTO】

第28章 中忍試験・覚悟





(仲間を道連れにするくらいなら、私は答えられずに一生下忍でもいい。でも、ナルトくんは…)


リクはチラリとナルトを確認する。

自分の夢なんてものは、下忍でも叶えられる。

けれど、彼には火影という夢がある。
そして彼が火影になることは、リクの願いでもある。

ナルトにとっては、リク以上の究極の選択だ。
どの選択をしても分が悪い。


(ナルトくん、どうするのかな…。
そうよ、この人…めちゃくちゃ精神的に追い詰めるのが上手い。そうだ、今後のために見習わないと。)


もう、選ぶ事を諦めて流れに身を任せよう。
選択の事は考えず、イビキの精神的な追い詰め方を観察する事にした。




その時だ。




ナルトが思い切り机を叩いた。


「なめんじゃねー!オレは逃げねーぞ!
受けてやる!もし一生下忍になったって、意地でも火影になってやるから、別にいいってばよ!」


…なんか、ナルトがどうだとか、失格ならどうとかで悩んでた事がバカらしくなった。

私は選ぶ事を諦めたけれど、はじめから選ばなくてよかった。

選択肢は「受ける」一択だというナルトの想いに、思わず微笑む。


『…さすが、ナルトくんだね。』


「…ククっ。いい根性してやがる。」


思わず呟くと、後ろのサスケが答えてくれた。
サスケも、そしてリクも、ナルトの言葉で色々と吹っ切れた。


「もう一度聞く、人生をかけた選択だ。やめるなら今だぞ。」


イビキがナルトを睨み、尋ねる。


「真っ直ぐ、自分の言葉は曲げねぇ…。それが俺の忍道だ!」


しかしナルトは、一切怯まずに答えた。

サスケやリクだけではない。
この会場にいる全ての下忍達が、ナルトの言葉で腹を括ったようだ。


「いい"決意"だ。…では、ここに残った全員に…。」


息を飲む。
そして、最後の問題への覚悟を決めた。

しかし、イビキの口から出た言葉は、驚きを隠せぬものだった。










「第一の試験、合格を言い渡す!」



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