第28章 中忍試験・覚悟
とりあえず、サスケとリクは第9問まで完答だ。
そして、サクラの様子を伺うと、ちょうど手が止まった。
(…よかった!さすが春野さん!自力で解ききったのね!)
これで3人は、おそらく9点保持だろう。
心配されるのは、ナルトただ一人となった。
(席順も最悪よね。一番心配なナルトくんが、一番前なんだもの。)
後ろからじゃ、サインもロクに送れない。
セイレーンである私が歌を歌えば、答えを伝える事ができるけれど、そんな事すれば、歌が聞こえた人全員に教える事と同じだ。
それに、自分が失格になりかねない。
第一、こんなたくさんの人がいるところで歌う事も危険だ。
何も手の打ちようがなく、時間だけが過ぎていった。
何組もの脱落者を見送り、とうとうあの意味不明な最後の問題が出される時間になった。
「よし、これから第10問目を出題する!…と、その前に一つ、最終問題についてのちょっとしたルールの追加をさせてもらう。」
イビキの言葉に会場がざわめく。
その追加ルールというのがまた、卑劣なものだった。
まず、選択肢として
受けるか、受けないか。
受けないを選べば、即失格。
受けるを選び問いに不正解なら、一生下忍のまま。
中忍試験の受験資格を永遠に剥奪される。
そんな究極の二択の重圧に耐え切れず、1人、また1人と「受けない」を選択し、教室から去っていった。
この今の教室では、イビキが法律。
逆らう事はできない。