第1章 始まり
ーーしばらくして
「ごめんね、遅くなっちゃった!夜ご飯はハンバーグよ。」
ハルの声が聞こえてソラは立ち上がった。
『やったぁ!ソラ、ハンバーグ大好き!!』
「家に帰ったらお手伝いしてね?」
『うん、頑張る!』
「そう、じゃあ早く帰りましょう!父さんも待ってるわ。」
手をつなぎ、いつも通り家に帰る、はずだった。
少し歩いたところで、突然何者かが道を遮った。
目の前に現れたのは仮面をかぶった男。
「貴方たちには、今からダンゾウ様のところへ来てもらいます。」
それだけ告げた。
『母さん、だんぞー…って誰?』
ソラはハルの顔を見た。
すると、ハルは真っ青な顔でその仮面の男を睨んでいた。
いつもは優しい母から、ただならぬ雰囲気が放たれている。
「どうして暗部がここにいるの。何故私たちが行かなきゃならないの?ダンゾウのとこへなんて行かないわ」
ハルの手が震えていた。