第28章 中忍試験・覚悟
試験のルールが発表される。
試験時間は60分。
試験は10点満点からの減点方式。
一問間違えると、1点減点。
カンニングをすると、2点減点。
しかも、持ち点が0になれば、連帯責任でその者がいる班は失格。
ということ。
サクラ、リク、サスケの心の中に浮かんだ言葉は全員同じ。
" ナルトが、やばい。"
持ち点が0になれば、連帯責任で道連れ不合格。
一番0になる確率が高いのは、もちろんナルトで…。
そんな「ナルト」という名の爆弾を抱え、一次試験は始まった。
スタートの合図で紙を裏返し、リクは驚く。
(なにこれ、めちゃくちゃ簡単…!)
見た瞬間ホイホイと解法と答えが浮かぶ。
そしてスラスラと答えを書いていくのだが。
(この調子でいけば、20分あれば終わるけど…。でも、よく考えたらこれってアカデミーで習う以上のことよね?)
またここでも、記憶にない頃の自分が役に立つ。
でも今は、それに感心している場合ではない。
このテスト内容なら、普通ここの会場にいるほとんどの人が解けない。
という事は、サクラはリク同等に頭がいいから解けると仮定しても、ナルトはもちろん、サスケですら危ない。
(…つまり、初めからこのテストはカンニングさせる為のものだったという事ね。
私と春野さんが特殊なだけ。
ナルトくん、サスケ…早く気付いて!)
それに気づかなければ、0点。
失格だ。
サスケなら後ろの席だし、自分の動きを写輪眼でコピーさせればいい。
けれど、問題はそこだけではない。
(………ナルトくん。)
なんの打つ手もなく。
一番心配なナルトの事は、ただ、祈るしかできない。