第28章 中忍試験・覚悟
違和感を感じながらも、リクはカブトの"忍識札"とやらを眺める。
他の同期たちも同じくそれを眺めた。
(…こんなに…。いつの間に情報収集したの?
中忍試験開催の報告を受けてからそんなに日も立ってないはずなのに。
張り切りすぎというか、何というか。)
ますます不思議だが、仲間たちはみんな、彼を信頼する。
仕方のないことだ。
なんの変なところもないんだから。
違和感を持つのは、リクだけだ。
とりあえず、変な行動すれば即戦えるように、神経は研ぎ澄ませておく。
そんな中でサスケがカブトに見せろと頼んだカードがある。
ロック・リー
砂瀑の我愛羅
(砂瀑の我愛羅…これが前にサスケが言ってた砂の忍…。)
赤髪の、全ての任務を無傷で帰ってきた男。
サスケが気にするほどだから、知っておいて損はない。
「まあ、ここに集まった受験生みんな、リーや我愛羅のような…。
各国から選びすぐられた、下忍のトップエリート達なんだ。」
カブトの言葉で、緊張が走る。
間違ったことは言ってない。
確かにここに居る人達は、実力を認められた者しかいないのだ。
ナルトが柄にもなく震える。
「ねぇナルト…そんなにビクつかなくても…。」
サクラがそんなナルトを励まそうと、声をかけたとき。
「俺の名前は、うずまきナルトだ!
てめーらにゃあ、負けねーぞ!!わかったかー!!」
ナルトの宣戦布告とも取れる発言が、教室中に響き、注目の的だ。
『あはは…流石、ナルトくんだね。』
「うん…。そうだね…。」
やはり、ナルトはどこにいてもナルトだ。
そんな彼だからこそ、私は彼の夢を応援したくなる。
そしてヒナタは、そんな彼だからこそ、努力する彼の姿を見つめ続けているのだろう。
リクとヒナタは、笑いあってナルトを眺めていた。