第28章 中忍試験・覚悟
「ひゃほー!みーっけ!これはこれはみなさんお揃いで!」
ナルトよりも元気な声。
そんなやつ、他には思いつかない。
毎朝散歩で会う2人…いや、一人と一匹のセットだ。
第八班。キバ&赤丸、シノ、ヒナタだ。
『ヒーナーター!!』
「リクちゃん…!」
ヒナタの元に駆け寄る。
そして思い切り抱きついた。
「ちょっとリクちゃん…大袈裟だよ。」
『いーじゃん!第八班もでるんだね!』
久しぶりと言う程会ってなかったわけではないのに、ヒナタと会うとやっぱり嬉しい。
口では大袈裟だというヒナタも満更ではない様子だから、その辺に気を使わなくて済むのも親友の良いところだ。
「ほんと、ヒナタとリクちゃんってば、仲良いな!」
「な、ナルトくん…。」
私たちの様子にナルトが声をかけてきた。
憧れの人の突然の介入に、ヒナタの顔はみるみると紅くなった。
あれだけ強く認めて欲しいと思っていても、いざナルトを目の前にするとダメらしい。
モジモジして、目をそらしてしまう。
『…ヒナタ、頑張るんじゃなかったの?』
「……やっぱ恥ずかしくて…。でもそれは、リクちゃんもでしょ?」
『そ、そうだけど…。』
2人して小声で話し、困った顔で笑う。
表は正反対のようだが、実は2人は似た者同士なのだ。
ナルトになにを話しているかと聞かれたが、そこは女の秘密という事にしておいた。
…まあ、これで、今年のルーキー10人、全員出場ということは分かった。
久しぶりの再会に、みんなでワイワイと騒いでいると。
「おい、君たち。もう少し静かにしたほうがいいな…。君たちがアカデミー出たてホヤホヤの新人10人だろ。
可愛い顔して、キャッキャと騒いで…。
ここは遠足じゃないんだぞ!」
注意してきた男の名前は、カブトと言うらしい。
(…何この人。気持ち悪い、怖い…。)
別に殺気を感じたわけでもないし、禍々しいチャクラってわけでもない。
ただ、気持ち悪い。
嘘で全てを固めたような…。
あまり、連みたくない、怖い。
リクの、カブトに対する違和感はカブトが話せば話すほど大きくなった。