第28章 中忍試験・覚悟
扉を開くと、驚いた。
教室を埋め尽くすほどの忍者。
「まさかこれ、全員受験生なの?」
『そう…みたいだね。』
なんか、全員強そうに見える。
それに、めちゃくちゃ睨まらてる…。
視線に戸惑っていると、隣から大きな女の声。
「サスケくんおっそーい♡
私ったら、久々にサスケくんに会えると思ってぇー!ワクワクしてたんだから♡」
振り返ると、サスケに抱きついていた女の子が一人。
山中イノ、アカデミーのくノ一クラスで、全てにおいてズバ抜けていた子。
まあ、リクは除いて、だが。
(……サスケから離れてよ。)
心で思っても、言葉にする勇気はない。
一方サクラは、喧嘩腰だ。
「サスケくんから離れーっ!イノブタ!」
「あーらサクラじゃない。相変わらずのデコりぐあいね、ブサイクー♡」
イノとサクラが言い合いしている後ろから歩いてきたのは、見慣れた二人組だ。
そうか。
猪鹿蝶で、スリーマンセルだったのか。
「何だよ、こんなめんどくせー試験、お前らも受けんのかよ。死ねよ!」
『…シカマル!チョウジ!久しぶり!』
「あ、リク。久しぶりだね!僕のポテチ、一枚どう?」
『え、くれるの?ありがとー!』
シカマルとチョウジは、嘗てピンチを救ってくれた友達だ。
久々の再会に喜ぶ。
…そして、イノがサスケから離れず、サクラと喧嘩しているのを横目でみて、チョウジにもらったポテチを食べた。
『…山中さんが可愛いからって、抵抗も一切しないなんて。』
「いや、あれは抵抗しないというか、できないんじゃねーの?ほら、イノすげーし。」
シカマルが、サスケを指差す。
確かにサスケはガッチリホールドされ、イノからは「決して逃がさぬ」というオーラが放たれているのだ。
『…フフッ。そうかも。』
困り果てたサスケの様子に、リクはクスッと笑った。