第27章 中忍試験・開幕
「さあ!サスケくん!ナルト!歌神さん!行くわよー!」
幻術を破り、自信をつけたサクラがナルトとサスケの手を引っ張り歩く。
そしてリクの手をサスケが引っ張る。
鼻歌を歌うサクラ、引っ張るなというサスケ、ノーマークで傷ついているナルト、そして私。
四人で手をつないで仲良く教室に向かう。
…いや、強引なところとあるんだけれども、そこは置いといて。
なんだか少し、嬉しかった。
(初めてこのチームになったときは、こんな風になれるとは思ってなかったな。)
初めは、バラバラの四人だった。
チームワークはおろか、チーム内でいがみ合って。
まあ今も、ナルトとサスケはそうだし、サクラもリクのことを恋敵と思ってる。
それに、まだまだお互いを知れてない部分も多いけれど。
それでも、任務の時はチームワークで乗り切ってきた。
第七班としてこれからまだまだ任務は行われる。
その度に、新たなチームメイトに気付けばいいんだ。
昨日からの悩みに、自分なりの答えを出し、三階への階段を上っていく。
その時だった。
「目つきの悪い君!ちょっと待ってくれ!」
突然かけられた声の聞こえる方を振り返ると、先程の全身緑タイツのゲジ眉青年、リーだ。
「何だ?」
「今ここで、僕と勝負しましょう!」
目つきの悪い君に反応するサスケが可笑しくて笑っていたリクも、驚いてその青年を見た。
「僕の名前はロック・リー!人に名を尋ねる時は、自分から名乗るもんでしたよね。うちはサスケくん。」
「フン…知ってたのか。」
リクは、サスケの様子を伺う。
リーは先程、サスケの蹴りを受け止めたのだ。
「強いやつらと戦いたい。」が、サスケの中忍試験の参加理由。
…多分この勝負、サスケは乗る。