第27章 中忍試験・開幕
次の日。
いつもの通りリクを起こし、2人で集合場所へ向かう。
そこにはすでにサクラの姿があった。
「おはよう、サスケくん。歌神さん。」
引きつった笑顔で、目の下には大きな隈。
明らかに様子がおかしいサクラの姿に、昨日のリクの悩みの始まりだとすぐに分かった。
ナルトがやってきたところで、俺たちはアカデミーへ向かう。
階段を上ると、301と書かれた扉の前でなにやら言い合いがおこなわれていた。
教室へ入る事を妨げている忍者がいたのだ。
「どちみち受からないものをここで篩にかけてなにが悪い!!」
そう叫んだ忍者を見たのち、リクの方に目をやると、彼女はコクンと頷く。
やはりな、と確信を持った後、俺はその輪の中に入った。
「正論だな…だが、俺たちはここを通してもらう。そしてこの幻術でできた結界をさっさと解いてもらおうか。」
「気付いたのか、貴様。」
ニヤニヤと笑う2人組を、フンと鼻で笑ってやった。
「サクラどうだ?お前なら一番に気付いているはずだ。
お前の分析力と、幻術のノウハウは、俺たちの班で一番伸びているからな。」
そう言って、ニッと笑いサクラを見た。
サクラは一瞬驚いていた様子だったが、すぐにいつもの顔つきに戻った。
「サスケくん…。ありがと…。」
サクラは自信がなかっただけだったらしい。
この中忍試験を受ける為の自信が。
なら、お前ならやれるという自信をつけさせれば良いのだ。
「……もちろん、とっくに気付いてるわよ。
だってここは、二階じゃない!」
自信満々に答えるサクラに、俺はフッと笑い、リクとナルトはウンウンと大きく頷いていた。