第26章 親友
「サスケくんは、リクちゃんの事どう思ってるのかな。」
ヒナタの質問に、ドキッとする。
そして、複雑な気持ちが心を覆う。
…頭に浮かぶのは、写真に写る、幼き頃のサスケの隣にいた少女の笑顔だ。
『サスケは…私のこと、なんとも思ってないの。もしかしたら、仲間ですら、ないのかもしれない。』
忘れようとしていたことが、蘇る。
「…え?流石にそんな事はないんじゃないかな?」
ヒナタは驚いている。
そりゃそうだ。はたから見たら仲良いのは当たり前。
…でも違う。
きっと、サスケが想っているのは。
『…もう随分前にヒナタが言ってた話のね、サスケの幼馴染。
その子の写真、見せて貰ったの。
…その子、私に瓜二つだった。』
なんでか、目元が熱くなる。
気がつけば、涙が頬を伝っていた。
『サスケは…私をその子の身代わりに思ってるに違いない。
私はリクとして、見られてないのかもしれない…。』
今まで何とも思ってなかったのに。
こんな事を思うのは、心の中にある"好き"に気付いてしまったから。
サスケの"好き"を、独り占めする彼女が羨ましい。
サスケは、側にいるのに…遠い。