第26章 親友
『…あのね。私…。』
そこまで言って、言葉が詰まる。
言ってしまえば、恥ずかしすぎて爆発するに決まってる。
でも、ヒナタもナルトへの想いを教えてくれたんだ。
きっと、恥ずかしかった筈なのに。
ちらりとヒナタの様子を見ると、ヒナタは微笑んでいる。
(…言うまで、ずっと待ってくれるんだ。)
私の、最高の親友。
そして決心し、もう一度話し出す。
『…あのね。この前の任務で、サスケは仮死状態になったの。
怖くて、怖くて。情けないけど、失いかけて気付いたの。
私…サスケの事が………好き。』
やっぱり無理、顔が爆発しそう。
最後の方は、声が小さくなってしまった。
両手で顔を覆い、指の間からヒナタを見る。
するとヒナタは、先ほどと全く同じに微笑んでいた。
『…なによ、その顔。』
こっちは恥ずかしくて死にそうなのに。
しかしヒナタは微笑んでいるのだ。
「そっか、気付いたんだね。」
『え…?』
「見てたらわかるよ。それに、この前と様子が違うんだもの。」
…ヒナタにはすべて、お見通しだったようだ。
「リクちゃん、頑張ってね。」
『…うん。ありがとう。』
多くは語らない。
それでも、十分伝わるヒナタの気持ち。
ヒナタとリクは似た者同士だ。
ヒナタは、憧れの人から好きな人へ。
リクは、守りたい人から好きな人へ。
移り変わっていったのだから。