第26章 親友
しばらく団子を頬張って、任務の話をする。
…というか、仲間の話。
リクはナルトのこと、サクラのこと。
ヒナタはキバと、シノのこと。
それからは、最近の里での流行りの話。
商店街にまた新しく、甘味処ができる話。
たくさん話をして、たくさん団子を食る。
けれど、1番言いたいことを言えてない。
それは、サスケの事。
(もー!私の意気地なし!どのタイミングで話し出せばいいか分かんない…。)
どうしようかと頭を悩ませていると、突然目の前のヒナタがクスリと笑った。
『…え?なに?なんか面白い事あった?』
「フフッ。いや、リクちゃんって面白いなぁって。なんでも器用に出来るのにね。」
なんの事かと首をかしげると、またヒナタは笑う。
「大事な話、あるんでしょ?タイミング掴めずにいるなら、今から聞くよ?」
どうやらヒナタにはお見通しだった様だ。
さすがは親友、といったところ。
第七班以外で、一緒にいる時間が最も長いのはヒナタだ。
リクがヒナタの気持ちが何となく分かるように、ヒナタもまた、そうなのだ。
『ありがとう、ヒナタ。』
そういうと、ヒナタはニコリと笑った。
2人の間では、隠し事はなしだ。