第25章 波の国・想い
護衛を始めて数週間。
やっと、橋が完成した。
サスケもリクも、完全とは言えないが、一応は回復した。
それから「修行のお礼」と、サクラが髪を整えてくれた。
そしてもう、波の国にいる必要はなくなった。
みんな揃って帰るんだ、木の葉へ。
「はい、じゃあ帰るか!」
「いやあ、超お世話になったわい!またいつでも遊びにこい!」
カカシが言うと、タズナが返す。
その隣では、ナルトとイナリが涙の別れをする。
それを、サクラが目を細めて見ていた。
その様子が微笑ましと思いつつも、リクは顔をしかめる。
『結局、私達は護衛あんまりしてないね。これじゃ、給金泥棒よ。』
「いや、忍者同士の戦闘もあったろ。
それに俺はともかく、リクはついこの間まで立てなかったんだ、仕方ない。」
サスケに言われて、そうだったと笑う。
現に今も、サスケに支えられて立っている状態だ。
「…リク、超悪かった。」
声をかけてきたのはタズナ。
任務初日に言ったことをずっと気にしていたようだった。
『私こそ、あの時はごめんなさい。
タズナさんは悪い人じゃないって、この数週間で分かったから。
この橋は、波の国の人にとっては希望の橋。
タズナさんはこの国の英雄よ。』
そう言うと、タズナは少し安心したような顔を見せた。
それにリクも笑って返す。
そうして第七班は、波の国の人々に手を振り、木の葉へと足を進めた。