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大切【NARUTO】

第25章 波の国・想い





リクが好き。

今回失いかけて、再確認させられた。
橋の上で見た彼女の姿、信じたくなくて、飲み込むまでに時間がかかった。

そして、どれほど彼女が、大きな存在で、失いたくないモノなのか、もう一度認識させられる。



今「リクが好きだ」と言えば、彼女はどういった反応をするのだろうか。


答えは、想像できる。



…彼女はきっと、何時ものように笑って言うのだろう。


『サスケが好き』と。



それは俺の気持ちとは別で、みたらし団子が"好き"と、同じなんだ。





守りたい人、好きな人。
けど、この想いが彼女に届く日が来るのだろうか。

そんなことを考えても、意味はない。
ゆっくりと、時期を待とう。

だから今は、彼女を守ろう。


「なあリク…。俺は、お前を守りたい。どんな敵からも、必ず。」


『…でも、死んだら守れない。だから…無茶はしないで。』


繋いだリクの手が、フルフルと震える。
『怖かった』という気持ちが、言葉に出さなくても伝わってきた。

こうさせたのは、俺の責任だ。


「俺はもう、あんな事にはならねぇ。もっと強くなる。」


そう、強くなるんだ。

不安にさせるような事はしたくない。



……が、それは無理だ。

例え物凄く強い敵が現れたとしても、俺はリクの為なら命を賭けるだろう。

もしも、窮地に追い込まれてしまえば、最悪の結果になる事だってあると思う。

そんな事を考えるまで、彼女のいない生活は想像もつかなくなってしまった。


(…リク。俺にはお前が必要なんだ。)


想ったところで、口に出さなければ伝わらない。

だけど、今はその勇気がない。
守り切れる力がない。

そんな弱気な自分が嫌になる。



きっといつか、自分の口から伝えよう。



必ず。






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