第24章 波の国・死闘
「嘘…だろ。」
目の前のリクの姿に愕然とする。
大量の血、体の大きな穴、青白い肌。
ガクンと膝を落とした。
「サスケ…無事だったか。よかった。」
「良かねーよ…。どういう事だ、カカシ。」
誰も、サスケの質問には答えない。
仮死状態になっている間に、リクの命は消えかかっている。
…一体何があったんだ。
「必ず僕が…なんとかします。」
そういった白は、すかさずリクの毛を切り、それを媒体として傷口を塞ぎ始めた。
「……頼む。」
白の治療は、針に糸を通すかのような繊細なもの。
カカシが結界を張ったお陰で、リクの寿命は伸びているが…時間の問題。
そして白の、チャクラの問題だ。
「僕のチャクラだけじゃ…足りない…」
そう呟いた白の肩に、サスケは知らずのうちに手を乗せていた。
「俺のも、使ってくれ。」
そう言って、チャクラを白に渡す。
そして、サスケにつられたかのように、ナルトも、サクラも、カカシも…再不斬でさえも、リクを助けるべく白にチャクラを渡した。
「…彼女は、皆さんに愛されてるのですね。」
白はクスリと笑い、もう一度集中した。
そしてかなりの時間が経った。
それはもう、夜が更け、次の日がやって来るほどの多大な時間。
白のお陰で、リクの身体にあった、最も大きな傷は塞がれた。
命を、取り止めた。
「…彼女はもう、大丈夫です。」
リクはもう、大丈夫。
サスケは涙が出そうなのを、グッとこらえた。