第24章 波の国・死闘
「…温かい…!?」
再不斬の一言に、カカシもナルトも大きく目を開く。
「ん…再不斬さん…。」
「白…!」
「すみません、僕は…。幻術の中で、再不斬さんの声が、言葉が、聞こえていました。…ありがとう、ございます。」
目を覚ました白に、再不斬は涙を流した。
リクは白を殺してなんかなかった。
彼女は白も再不斬も守るために、己が犠牲となったのだ。
白は傷ついた再不斬を治す。
一時期は追い忍をやっていたせいなのか、医療忍術も出来るようだ。
致命傷となる傷を治し、再不斬は命を繋いだ。
「幻術…!?そうか、リクちゃんってば…。」
ナルトが納得するように言う。
気を失った白を、ナルトは死んだと思っていたようだった。
そのナルトの言葉で思い出したように、白が叫んだ。
「…そうです、彼女は!?」
「リクなら…あそこさ。」
カカシが指差した方向を見ると、白の目が大きく見開かれる。
白が走り出そうとして、一度止まる。
助けに行こうとしている様だが、恐らく俺たちが再不斬を殺すかもしれないと懸念している。
「もう、君たちと俺たちの戦いは終わったよ。」
「…行ってこい、白。」
「…はい。」
リクの元へ走る白を、ナルトが追う。
カカシは再不斬に肩を貸し、その後を追った。