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大切【NARUTO】

第24章 波の国・死闘





カカシは再不斬の背後に回り、首を掴む。


「いまのお前では、俺に勝てないよ。お前は気づいていない…。」


白を失った衝撃に。
どれほど再不斬にとって、白か大切であったかに。


「さよならだ、鬼人よ!」


カカシは再不斬の急所を狙うが、躱され、クナイは、再不斬の腕に刺さった。


「…これでもう、印も結べないぞ。」


再不斬の両腕が、力なく下へと垂れる。

その刹那、第三者の声が入ってきた。

この橋を襲わせた張本人、ガトーだ。

元から金など払う気がなかったと、再不斬と白を消しに来たのだ。


「そういえば、コイツにはカリがあったな。」


そう言ってガトーは、白の顔を蹴る。

その様子に何も反応を示さない再不斬に、ナルトは憤慨し、怒鳴りつけた。


どれほど白が、再不斬を思っていたか。
自分の夢は、再不斬の夢を叶えることだと。…自分の夢を見れずに。
それでも白は、嬉しいと言っていたのだと。
最後まで再不斬を守ろうとして、死んだのだと。


カカシは、再不斬を見る。


……驚いた。



「もうそれ以上…何も言うな。」


再不斬は、涙を流していたのだ。
ナルトが、再不斬の心を浮き彫りにしたのだ。

再不斬は口元の布を噛みちぎる。
そしてナルトからクナイを受け取ると、ガトーをめがけ、走って行った。

どんどんと敵を切り倒していくその姿は、まるで鬼人。
ついに再不斬はガトーの首をはね、その場に倒れた。


「目を背けるな。…必死に生きた男の最後だ。」


「…うん。」


カカシとナルトは、その再不斬の姿をしっかりと目に焼き付けた。




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