第24章 波の国・死闘
タズナはサスケに手を添えるサクラを見ていた。
「冷たい…。これはもう幻術じゃないのね…。」
「ワシの前だからって気にする事はない。こういう時は、素直に泣いたらええ。」
しかしサクラは、語る。
アカデミーの試験で出た事があると。
100以上の忍の心得を全て覚えているんだと。
「"忍びの心得 第25項を答えよ"って。
私は何時ものように、その答えを書いたわ。
…"忍は、どのような状況においても…感情を表に出すべからず…。
任務を第一とし、何事にも涙を見せぬ心を持つべし…。"
ってね。」
そう言って、サクラは声をあげて泣き叫んだ。
(これが忍というものか…。あまりにもつらい。)
サクラとサスケ、そして遠くで倒れているリクの姿を見て、心が痛む。
…この国に来る前に、リクが言っていたことがある。
『…班員が死ねば、私は嘘をついたあなたを、永遠に恨む。』
そう言い放った彼女は、いまカカシの側で命の灯火が消えかかっているのだ。
(リク…。すまん。)
謝って許される事ではないかとぐらい、分かっている。
それでも、そうするしか出来ない。
あの時のリクの言葉が、タズナの胸に重くのしかかった。