第24章 波の国・死闘
タズナを守る。それがサクラの任務だ。
何時でも敵が来た時に対応できるよう、構えていたのだが。
急に、隣にいたリクの分身が消えた。
(あれ、歌神さんの分身…。って事は、戦いは終わったのね?)
霧が晴れ、ナルトの姿が見えた。
サクラは安心し、声をかけた。
「ナルトォー!無事だったのね!」
手を振ると、ナルトが複雑な顔をして振り返る。
そして、違和感を覚える。
確認できる姿は、ナルトだけなのだ。
「あれ?サスケくんと歌神さんは?」
ナルトに尋ねるが、ナルトは目を瞑り逸らすだけ。
…まさかと思う。
自分の目で、確かめたい。
しかし、タズナの元を離れるわけにはいかない。
ぐっと衝動をこらえていると、タズナが手を繋いだ。
「ワシも一緒に行こう。それならば先生の言いつけを破った事にはならんじゃろう。」
「…うん。」
サクラはタズナの手を引き、サスケが白と戦っていた場所へと走っていった。
そして、愕然とした。
そこには冷たいサスケ。
…そして、何時もならしつこい程サスケの側に居るはずのリクの姿がない。
キョロキョロと、リクの姿を探す。
するとカカシの近くに、腹部に大きな穴があいたリクの姿。
何時も羽織っている彼女の白いケープは、真っ赤に染まっていた。
「サスケくん…。歌神さん…。」
彼らは強い筈なのに、どうしてこんな…。