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大切【NARUTO】

第24章 波の国・死闘





リクは心の闇に支配されるがまま、白の首を締めた。


(アナタガ、サスケヲ…!)


その手の力を強めると、先程まで抵抗しなかった白が、手を掴み離れようとした。


「再不斬、さん…。助けないと…!」


その言葉でハッと我を取り戻す。
白の手から、白の想いがリクの中に流れてきたのだ。


どれだけ再不斬に感謝しているか、大切な人なのか。
どれだけ再不斬を失う事が恐ろしいか。



…分かってしまった。



白もまた、リクと同じ。
失う恐怖を知っている。

そして白は今、再不斬の盾になり、死ぬ気なのだ。


(…死んでは、ダメ。)


死んでしまえば、何もできない。

…守りたい相手を守る事も、出来なくなる。

それに白が死ねば、それを悲しむ誰かがいる。
少なくとも私が、いる。

ゆっくりと頭が冷えていき、歌を止める。

白の気持ちは、痛いほどわかる。


『…でも、あなたを行かせる訳にはいかない。』


「…な、んで…。」


リクは写輪眼を使い、白に幻術をかける。


(分かるから、譲れないの。あなたは死んではだめ。再不斬は私が何とかしてあげるから…。)


ナルトが「何言ってるんだ」と聞いてくるが、それに答える時間がない。

今は、白の大切な人の命が関わっているのだ。

リクは意を決し、晴れゆく霧の中へと走っていった。





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