第24章 波の国・死闘
『…サ、スケ?』
心が一気に冷める。
足が、手が、震える。
ゆっくりと鏡の内側へ、入る。
倒れるサスケを、ナルトが受け止める。
ナルトが何か言っている、サスケが何か言っている。
だけどそんな言葉よりも、早く彼が無事かを確かめたくて。
震える足を少しずつ、サスケの元へ。
やっと2人に耳を貸す。
聞こえてきた言葉は…彼の、言葉。
「お前は…死ぬな。」
死。
それはこの任務で最も恐れていたこと。
隣から、彼が消えることを意味する。
ナルトが、紅色の禍々しいチャクラを放ち、白を追撃した。
その様子をなんとなく見てから、サスケの頬を触る。
『サスケ、起きて?私より寝てるなんて。ねぼスケって呼ぶわよ?』
返事は、ない。
…身体は冷たくて、彼の目は開かない。
私を起こしてくれる優しい声も、手の温もりも、笑顔も。
…もう二度と、得られない。
こんな、サスケに酷いことをしたのはダレ?
私から、大切なものを奪ったのはダレ?
…もう、ダレデモイイヤ。
"ミンナ キエチャエ"