第24章 波の国・死闘
「リク!お前は外からだ!頼む!」
決して中には入ってくるな。
それがサスケの言いたいことだ。
(…わかってる、分かってるけど。ここじゃ2人を守れない…!)
外からどれだけ攻撃しても、先程よりも分厚くなった氷の鏡には、ヒビ一つ入らない。
辺りに濃い霧が立ち込める。
再不斬の霧隠れの術だ。
…リクの影分身が、一体消えると同時に、サクラの叫び声が聞こえた。
影分身が消えたのは、再不斬の所為だ。
『春野さん!!!!』
目を瞑り、神経を集中させる。
そして気配を探る。
(このチャクラの質…!カカシ先生!助かった…。)
そうだ、カカシがいるのだ。
あっちにもこっちにも気を回す必要がない。
タズナは、向こうの2人を信じよう。
(…私はこの鏡を、破壊しなきゃ!)
影分身が一体戻ってきたお陰で、チャクラの量は少し戻った。
(…いける!!)
リクは大きく息を吸い、そして吐く。
そしてもう一度、氷を叩き割ろうと腰を深く下げ、狙いを定める。
その時だった。
視界に入ったのは、完全に白の動きを見切ったサスケ。
そして彼がナルトを庇い、身体に無数の千本が刺さる様子。
ドクン
心臓が嫌な音を立てた。