第24章 波の国・死闘
今まさに、斬られそうだったイナリを、ナルトが変わり身を使って助け出す。
「良くやったな、イナリ。」
そう言って、ナルトは立ち上がった。
「なんだ、誰かと思ったら…。タズナが雇ったダメ忍者か…。」
しかし、ガトーの手下の言葉をナルトは無視し、ニヤリと笑いイナリに話す。
「お前が奴らを引きつけてくれたおかげで、母ちゃんを助けられたぞ!」
「だ、大丈夫なの?兄ちゃん!」
「ああ、それに、俺だけが助けに来たわけじゃないってばよ?」
首をかしげるイナリを背に、ナルトは手裏剣を二つ、敵に投げた。
「フン、そんなもの効くか。」
そう言って、避ける。
しかしそれこそ、狙い通りなのだ。
『バーカ。』
ナルトが投げた手裏剣は、リクと、またその影分身が変化していたものだった。
そしてリクは、頭を思い切り蹴り、ひるんだ2人を縄で縛り上げた。
『よっし、完了!』
一仕事終え、ナルトとイナリの方をうかがう。
すると2人は、昨日まで歪みっていたのだが、仲直りしていた様で笑い合っていた。
(よかったね、ナルトくん、イナリくん。)
その様子を見ていると、ナルトがこちらへ駆けてきた。
「ここが襲われたってことは、橋の方もやべえってことだ。」
『そうだね、急ごう。』
…先程から、嫌な予感がする。
早く、駆けつけなければならない。
イナリに「ここは任せる」と言い、リクとナルトは橋へと向かった。