第23章 波の国・修行
一方男組は、サクラがカカシを吹っ飛ばした姿を見て、目が点となっていた。
「…な、なんだってばよ、サクラちゃん。…今の。」
隣のナルトに共感だ。
あの、サクラが、あんなに…。
「どう?サスケくん!」
サクラがこちらを向いて、ニカリと笑う。
「いや、どうも何も…。お前、どうやって…。」
ハッと気づいた。
リクの『春野さんをなめちゃダメよ。』という先程の忠告は、この事だった。
…と言う事は、あれを教えたのはリクだ。
「さすがサクラちゃん、俺が認めた女だってばよ!」
「…チィ」
ナルトとサスケの反応に、何故か項垂れるサクラ。
そのサクラの背を、リクが叩く。
『…春野さん、行くよ。』
「分かってるわ。」
そう言って、獲物を捕らえたかのような目で、ナルトと俺を捉える。
冷や汗が流れた。
…女が怖いっていう世論は、あながち間違えでないのかもしれない。
「足引っ張んじゃねぇぞ、ウスラトンカチ。」
「へへっ…。そっちこそ。」
こちらに走ってくるサクラとリクに対応すべく、サスケとナルトもまた、構えた。
また、カカシも立ち上がり、こちらへと走ってくる。
(フン…楽しくなってきたぜ。)
サスケの口角は、自然と上がった。