第23章 波の国・修行
それからサクラとリクは、昼間はタズナの護衛、夜は特訓というハードスケジュールを送った。
サクラはひたすら岩に拳をぶつける。
初めは何の変化もなかったが、ヒビが入るほどに成長した。
「歌神さん!!みて!ヒビが入った!」
そうやって彼女を呼ぶと、驚いたと目を見開いていた。
『流石春野さんね…。習得が早い。私も頑張らなきゃっ!』
そういう彼女は、サクラの修行のさらに上の段階、性質変化を体術に組み合わせようとしていた。
元から彼女は、火遁と風遁を操る。
今は火遁を混ぜようとしているようだが、上手くいかず火傷ばかりしていた。
それでも諦めず、必死に取り組む姿に、サクラの心も動かされた。
(…私だって、歌神さんに負けてられない!!)
初めはサスケにまとわりついて、邪魔なやつだと思ってた。
けど、違う。
彼女はサスケを守ろうと、誰よりも強くなろうとしてる。
ただ、"サスケくんが好き"…なんて言って、張り合おうなんて考える自分がバカだった。
(歌神さんに負けてたら、サスケくんだって認めてくれない…!!)
サスケに認められたい。
その為に、なんでも必死にやってやる。
恋敵にも頭を下げて、強くなる。
リクを目標に、ライバルに。
サクラはひたすら修行に取り組んだ。