第23章 波の国・修行
ナルトは木にすら登れず、サスケも途中で弾かれて着地する。
(ま、ナルトとサスケの差はこんなもんだろ。)
カカシは2人を見て分析していると…。
「案外簡単ね!」
隣で声が聞こえると思ったら、サクラだ。
「今一番チャクラのコントロールが上手いのは、女の子のサクラみたいだな。」
鼻高々に笑うサクラ、それを見て悔しがるサスケとナルト。
しかし、一人だけ、スタート位置から一歩も動かない子がいる。
「リク、登ってみなよ。大丈夫だからさ。」
そう言うとリクは、ゆっくりと歩いて、こちらへ向かってくる。
「いきなりは難しいんじゃない?もっと助走つけて…」
ここまで言って、驚く。
サスケも、ナルトも、サクラも口をポカンと開けている。
リクはそのまま垂直に幹に登り、カカシの横に到着したのだ。
『どう?先生。合格かな?』
二カリと笑う彼女は逆さまに立っている。
(そういえば、水面も歩いてたな、こいつ。…さすがは、リクだ。本当に驚かされるな。)
リクの素質に光るモノを感じたのち、地面から見上げている男達に声をかけた。
「どうやら女の子に負けてるみたいだね、君たち。
火影に1番近いのは、リクかな?
それにうちは一族ってのも大したことないね。」
そう言うと、ナルトとサスケの目に力が入る。
本気になったようだ。
(ま、リクも本当はうちは一族だけどネ。)
心の中で付け足して、一息吐く。
ナルトとサスケの潜在的なチャクラ量は、カカシより多い。
この修行が成功したら、大きな財産となるだろう。
カカシは、必死に木登りをする下忍組を見守っていた。