第23章 波の国・修行
暫くしてから、カカシ達も森に入った。
2人の気配を感じ、やっと見つけたと思えば。
リクの手には血が滲み、その前の木には、拳がめり込んだ跡が付いていた。
そして、リクの手をサスケが治療している最中であった。
(…荒れてるね。)
カカシは1つ、息を吐き、2人を呼ぼうとしたのだが…。
「あー!サスケくん!1人で走って行っちゃ危ないんだからね!?」
サクラが叫ぶ。
「いや、そこはリクの心配だろう」と突っ込みかけたが、面倒なので止めておく。
「リク、だいじょーぶ?今から修行やるけど、出来そう?」
そういうと、リクはチラリとサスケを見る。
するとサスケは、優しく微笑み返す。
『はい、やれます。突然飛び出して、ごめんなさい。』
リクは元気を取り戻していた。
(いや、今の視線の交わりで一体何が通じ合っていたの…。
落ち着いたなら別に良いんだけどネ?
それにしてもサスケ、あんな優しそうに笑えるんだな…。)
感心していると、隣でフツフツと黒いオーラが漂う。
恐る恐る見ると、それを放っている正体は、サクラだった。
「さ、サクラちゃん…。ちょっと落ち着いたほうがいいってばよ?」
「うるさいナルト!先生、はやく修行始めましょう!」
ナルトにゲンコツをキメて、サクラはムスッとしていた。
(…乙女心って、複雑だな。)
カカシは大きく溜息をつき、サスケとリクに手招きした。