第23章 波の国・修行
「その間に修行ってわけだな!面白くなってきたってばよ!」
「面白くなんかないよ。」
ナルトに返事をしたのは、タズナの孫のイナリだった。
イナリはタズナの元へ行く。
「挨拶しなさい」とツナミが言うのだが、タズナは「いいんじゃ」と頭を撫でている。
そしてイナリから出た言葉は…
「母ちゃん、こいつら死ぬよ…」
リクは、動けなくなった。
隣でナルトが騒ぎ、サクラが止める。
いつもの、光景なのに。
でも、何を言っているか分からないほど、だんだん耳が遠くなる。
(…死ぬ、しぬ、シヌ…。)
大切な人が死ぬ。
なぜか今、突然に、その様子が頭に鮮明に思い浮かべられる。
大切な…彼が…。
再不斬との戦いの時は、そんな事なかったのに。
嫌な、予感がする。
大切なものを失う前の、嫌な予感。
こわい、怖い、恐い。
『うわぁぁぁぁぁああ!!!!』
消そうと思っても消えない、鮮明な映像が頭に浮かぶ。
それを消すように、大声で叫んだ。
そして頭を抱え、外へと走り出した。
「おい!リク!待て!!」
その後をサスケが追った。
その様子見ていたタズナが、カカシに尋ねた。
「すまんのぉ…。リクは大丈夫じゃろうか。」
「サスケがいます。大丈夫ですよ。
…あの子は、何度も大切な人を失ってる。何か蘇ったのでしょう。」
「…そうか。」
「では、少し離れます。サクラ、ナルト。行くよ。」
カカシは松葉杖を突き、2人を連れて、リク達の元へ急いだ。