第23章 波の国・修行
「あんの、ウスラトンカチ共…。」
リクに、キスをしようとした。
俺にはまだ、力が足りない。
けれど、彼女が自分のものになれば、何があっても側に居てくれると思った。
手を繋いでいてくれると思った。
大切なものを失う恐怖は知っている。
だからこそ、リクが消えてしまうのではないかと思った。
…ソラの時のように。
だから、はやく自分のものにしたいと思った。
(なのに、雰囲気もろともぶち壊しやがって。)
まあ、未遂で終わってしまったが、それはそれで良かったかもしれない。
口では悪態をつきながらも、サスケの心臓は、今も煩く動いているのだ。
冷静に考えてみれば、リクの気持ちを聞かず、そんなことをするなんて、あまりよろしくない。
「俺、何がしてぇんだ。」
結局の所、何が何だか分からなくなってしまった。
大きく溜息をつき、イライラしながらカカシの元へ行く。
そしてその後を、急いでリクが追ってくる。
「あら、カカシ先生、起きたの?」
ちょうど部屋の入り口で話すタズナの娘、ツナミの言葉で、カカシが寝ていたと分かる。
そして今ちょうど、起きたらしい。
…それも、ウスラトンカチ共が叫ぶほど、突然に。