第22章 波の国・鬼人
「…リク!」
サスケを庇い、リクが再不斬の肘を受け止める。
「ほぉ、少しはできるやつがいるんだな。でも、甘い!」
『くっ…なんて、力なの…!』
リクは力負けして、肘を食らう。
そして地面に叩きつけられた後、踏みつけられていた。
(あの体格差だぞ…。幾ら何でも無理があるだろ…!)
この中で、今一番動けるのはリクだ。
それは、認めている。
しかし単純な力比べだと、大人と子供、男と女。
力の差は歴然なのに、リクはサスケをかばったのだ。
サスケは血を吐く彼女に動揺する。
しかし、彼女はニヤリと笑った。
『血霧の里…?鬼人?知らないわよ、そんな自慢話。
でも、一つはっきりしてることがある。
…あなたは私達に勝てない。』
彼女の真意が分からず、ただ立っているだけ。
そんな自分に、嫌気がさした。
「どういう事だ?」
再不斬の質問は、サスケが思っている事と同じ。
それにリクは笑ったまま答えるのだ。
『仲間を大切にしない奴は、クズよ。だから、仲間を切った霧隠れの忍には…あなたには!木の葉の忍は負けない!!』
「はっ…。笑わせるな。死ね。」
再不斬はリクを踏みつける力を強める。
そしてリクは、悲痛の声を上げた。
さらに今、再不斬は刀に手を掛け、リクは殺そうとしている。
(…何やってんだ、俺。)
リクは、カカシの想いをしっかり受け止め、仲間を守ろうとしている。
あれだけリクが戦ってるのに、ただ突っ立ってるだけか?
また、あの日のように、大切なモノを守れずに立ち尽くすのか?
(…違うだろ。)
サスケは覚悟を決めた。