第22章 波の国・鬼人
声が聞こえたと同時に、リクは手を繋いでいたサスケの手を離す。
(サスケは…他のみんなは、先生がなんとかしてくれる!)
任務はタズナを守ること。
リクはそれを遂行すべく、タズナを連れ、距離をとった。
そして、残りの班員を再不斬から離すようにカカシが背を押した。
『タズナさん、大丈夫ですか?』
「あ、ああ。すまん。」
とりあえず、タズナと仲間の無事を確認する。
そしてタズナを、戦場から出来るだけ遠ざけた。
その間も、カカシと再不斬による水分身の攻防は繰り広げられていた。
「せんせー!!!」
ナルトの声に、そちらへ視線を向けると、カカシは再不斬に蹴り飛ばされ、水中へと落ちていった。
(強い。先生を蹴り飛ばすなんて…。それでも、タズナさんを守りきらなきゃ。任務は必ず!!)
リクはクナイを構える。
本当ならばそこに参戦したいのだが、依頼人を守る事が今回の任務。
あちらの様子を伺っていると、カカシが水牢の術で身動きの取れない状況になってしまった。
そして、水分身が正にナルト達を襲おうとしている。
ここからではあまり聞き取れないが、何かを話した後に、ナルトが思い切り蹴り飛ばされた。
『ナルトくん!!』
「お前らぁ!タズナさんを連れて早く逃げるんだ!コイツとやっても勝ち目はない!
水分身も、本体からある程度離れれば使えないはずだ!
今はとにかく逃げろ!」
みんなが危ない。
今の状況ならカカシの言う通り、逃げるのが得策かもしれない。
(…でも、カカシ先生はどうするの?)
このときリクの頭には、演習場で教えてもらったカカシの言葉が浮かんでいた。