第22章 波の国・鬼人
「8ヶ所…。咽頭・脊柱・肺・肝臓・頚動脈に鎖骨下動脈、腎臓・心臓…。
…さて、どこの急所がいい?クク…。」
『そんなの、どこも嫌よ!それに急所なんて、狙わせないわ?』
殆どが恐怖に怯える中、1人平然と再不斬の質問に答えるリク。
それどころか少し笑っていた。
なんでこんなに平然としてられるのか。
リクのその姿に、サスケは疑問を持つ。
その時、カカシの殺気を感じ、震え上がった。
(ス、スゲェ殺気だ…。眼球の動き一つでさえ気取られ、殺される。そんな感覚だ。
…小一時間もこんな所にいたら、気がどうにかなっちまう!
上忍の殺意…。自分の命を握られている感覚。
だめだ、これならいっそ死んで楽になりたいくらいだ…。)
身体の震えが、止まらない。
それに気づいたのか、リクがサスケの手を握った。
『大丈夫。』
そう言う彼女は、にこりと笑う。
出発前とは全く違い、余裕がある様子だった。
…そんな余裕、どこから出てくるのか。
「サスケ…、安心しろ。お前らは俺が死んでも守ってやる。
俺の仲間は、絶対殺させやしなーいよ。」
笑顔でそういうカカシ。
その一言で、何故か安心した。
「…それはどうかな。」
安堵したのも束の間、背筋が凍る。
再不斬の声は、背後から聞こえてきた。