第22章 波の国・鬼人
「へー、こりゃこりゃ。霧隠れの抜け忍、桃地再不斬くんじゃないですか。」
再不斬…それが、あいつの名前。
(口元隠して…カカシ先生みたい。)
思った感想は、口には出さず心に留めておく。
まあ再不斬は、先ほどまでとは桁違いの強さだという事は、はっきりわかる。
リクは戦闘態勢を整える。
そしてナルトは再不斬へ突っ込もうとした。
しかしそれは、カカシによって止められる。
「邪魔だ、下がってろお前ら。こいつはさっきの奴らと桁が違う。…このままじゃあ、ちとキツイか。」
カカシが目元の額当てを掴む。
「写輪眼のカカシと見受ける…。
………悪いが、じじいを渡してもらおうか。」
『「写輪眼!?」』
サスケとリクは声を揃えて反応する。
(…写輪眼って、セイレーンの特異体質じゃなかったの?)
今まで使わなかっただけで、リクも写輪眼を持っている。
木の葉の里で、それを持っている人に会わなかったから、勝手にセイレーンの血継限界から来ているものだと思っていた。
「卍の陣だ。タズナさんを守れ。お前達は戦いに加わるな。…それがここでのチームワークだ。
…再不斬、まずは俺と戦え。」
カカシは額当てをぐいっとあげる。
左目には、勾玉が3つ浮いたような紅い目。
紛れもなく、写輪眼だ。
(…どういう、ことなの。)
リクは、カカシの写輪眼をジッと見つめた。