第21章 波の国・出発
「あんたの言うとおり、おそらくこの任務はあんたらの"任務外"だろう。
…実はワシは超恐ろしい男に命を狙われている。」
「恐ろしい男?…誰です?」
「…あんたらも、名前ぐらい聞いたことがあるじゃろう。海運会社の大富豪、"ガトー"という男じゃ。」
ガトーといえば、ガトーカンパニーの社長で、世界有数の大金持ちと言われる男。
波の国での交通を独占しているらしく、橋ができることを恐れているらしい。
「で、橋を作ってるおじさんが邪魔になったって訳ね。」
「じゃあ、あの忍者たちは、ガトーの手の者…。」
「しかし分かりませんね、相手は忍者すら使う危険な相手。何故それを隠して依頼したんです?」
この班で唯一、理解してないナルトに、リクは『とりあえず、ガトーとか言う奴が悪いのよ。』と、ひとまとめにして教えた。
そしてさらに、タズナは続ける。
波の国は、貧しい国で、大名すら金を持ってないと。
「まあ、お前らがこの任務をやめれば、ワシは確実に殺されるじゃろう。
なぁに、お前らが気にすることはない!ワシが死んでも10歳になる孫が、一日中泣くだけじゃ!
あ、それに、ワシの娘も木の葉の忍者を一生恨んで寂しく生きていくだけじゃ!
いや、なに、お前たちのせいじゃない!」
その言い草に、リクはピクリと反応した。