第21章 波の国・出発
「ナルト、景気良く毒血を抜くのはいいが…。それ以上は出血多量で死ぬぞ♡」
カカシが笑顔でいうと、ナルトが「こんなところで死にたくない」と騒ぎ出した。
「…このウスラトンカチが。」
『サスケってほんと、分かりやすいんだから。』
「うるさい、バカ。」
『いつもいつも、バカは余計よ。』
ナルトの様子をみながら、サスケはニヤリと笑っていた。
サスケは任務続行派だったようで、嬉しいらしい。
「リク、解毒剤貸してくれる?俺がナルトを診るよ。」
『あ、はい、どうぞ。』
「ナルト!あんたって、自虐的性格ね!それってマゾよ!」
サクラの言葉にウンウンと頷くリク。
でも、ナルトの覚悟は、きっちり受け取った。
任務を続けるなら、次に襲ってくる敵は、さっきの敵よりも更に強いだろう。
それでも必ず、誰一人として欠けることなく、任務を成功させるんだ。
『ナルトくん、頑張ろうね!』
「おう!任せとけって!」
リクとナルトは、互いに拳を合わせた。
「…先生さんよ、ちょっと話したいことがある。依頼の内容についてじゃが…。」
それは、「包み隠さず全て話す」と言う意味合いを含んでいた。