第21章 波の国・出発
「こいつら、霧隠れの中忍ってとこか…。」
カカシが敵について分析する中、リクは鞄の中を漁っていた。
(解毒剤…どこいれたっけな。)
ナルトに怪我をさせたのは、守りきれなかったのは、己が悪い。
毒に即効性がなかったから良かったものの、そうであったら、既に命が危なかった。
(もっと、もっと強くならなきゃ…)
見つけた解毒剤をギュッと握りしめ、カカシの話に耳を傾けた。
「我々は、あなたが忍に狙われてるなんて話は聞いていない。
これだとBランク以上の任務だ。
何か訳ありみたいですけど、任務で嘘をつかれると困ります。
これだと、我々の任務外って事になりますね。」
「この任務、まだ私達には早いわ!やめましょ!ナルトの傷も、里に帰って医者に見せないと…。」
カカシとサクラは、ナルトの治療ついでに、一度里に帰ることを提案する。
この任務は、荷が重いと。
『先生、私、解毒剤をもってます。とりあえず応急処置を…。』
そう言って、ナルトを見た。
その時、ナルトが自らの傷口をクナイで刺して、一気に毒血を抜いた。
『ナルトくん!なにやって…』
「俺がこのクナイで、おっさんを守る。…任務続行だ。」
ナルトの目は、真剣だった。