第21章 波の国・出発
(俺ってば、何もできなかった。)
ナルトは驚いて、サスケとリクを見た。
二人は無傷どころか、服の汚れ一つない。
初めての実践の筈なのに。
(ちっとも怖いって思わなかったのか…?それに加えて、俺の事を助けたってのか?)
ナルトの目線に、サスケが気づき、ニヤリと笑う。
「よぉ…。怪我はねーかよ、ビビリ君。」
サスケの言葉が図星で、余計に苛立つ。
そんなサスケに食ってかかろうとした時、カカシに止められた。
「ナルト!喧嘩は後だ!こいつらの爪には毒が塗ってある。
お前は早く毒抜きするする必要がある。
傷口を開いて、毒血を抜かなきゃならない。
あまり動くな、毒が回る。」
自分の手を見る。
確かにそこはズキズキと痛んでいた。
(俺、サスケの言うとおりだし、リクちゃんにも守られて…。くそ、なんでこんなに差があるんだってばよ…!!)
何もできなかった自分が、悔しくてたまらなかった。